ひとりあそびのjournal

瞬く間、ひと月。

このごろ、机に向かっていなくてはいけないことが沢山で、家にばかりいた。
一番の息抜きはお出かけなのだけど、
そうするほどの時間も取れないと私は密やかなひとりあそびをはじめるの。

スパイスたっぷりのホットチャイを片手に、
(本当はこのチャイを淹れるところからひとりあそびは始まっているけど、今日は省略)
しずしずとテーブルにカードを並べていく。
部屋はバニラとスパイス、あたたまったミルク、アッサムティーの香りがたゆたう。
ムードは魔女。一枚一枚、カードを並べて行くたびに大人の私は眠っていく。

写真のものはタロットカードとかとはまた少し違う、占いに使うカードなの。
占いやカードについてはまったく無知なので、ただ眺めたり並べてみたり。
魔女が占ってくれるなら、きっとこんな感じ
と、一枚ペラリと捲ってみたカードの内容にドキドキしてみたり。
触れているうちに膨らむ物語にとっぷりと想いを馳せて、ただ馳せて、

そっと箱にしまいます。そっと、そっと。しずしず。

小さくて四角い中にぎゅうっと絵やデザインがつまったものに、どうやら私は目がなくて。
きりが無いかと思って以前は我慢していたのだけど
いい子ぶる私をたぶらかして、すこしずつ買い集めてもいい事にした。
(ただしとびきり惚れ込んだもの、と強く誓う。)

さいごは、お気に入りの小さなオーガンジーのポーチやリネンの端切れで
先ほどの物語と共にカードの箱をくるんで、そっと秘密の棚へ。

いつかこの棚が溢れる頃には、物語が何か創作につながるかしらなんて期待しながら
棚を閉じた瞬間には大人の私がパチリと目を醒まして、る。

BGM:Efterklang[Caravan]

ひとりあそびのjournal

引っ越しのjournal

昨年末に引っ越しをしました。

この写真は、前の部屋の一画。
アンティークのクロス、ドライフラワー、メキシコのミラグロ、香水、オラクルカード、キャンドル、ブローチ、ポストカード、アクセサリー、鉱石…宝物ぎっしり置いてたの。

そんなに長い間住むつもりの無かった部屋で、それはそれは狭かったので余計にぎっしりしてた。
結局、5年以上も住んでたんだけどね。
華奢な女の子が数人お茶を飲んでいってくれるのが精いっぱいの我が家に、まさか昨年は取材にまで来て頂いてしまったんだよなあ。無謀だな、私。

こないだ、似た時期に引っ越しをした友人の新居にお招きしてもらった。
相変わらず寒い日だったけど、気持ちが軽くなる晴れ晴れしたあの日に似合うような春っぽいグリーンのブーケを持って向かった。


駅前で一緒に気になってたケーキを買って、ちょっぴり寄り道もしながらお家に向かった。
可愛い食器を出してくれて、淹れてくれたお茶も美味しくって。
自分の家じゃなくても、「新居」ってきもちかった。

せめてもう少し足りない家具がそろったら、友達に遊びに来てもらって
間取りについてとか家具についてとかあーだこーだ言って、ほーって関心したりして
私のちょっとヘタクソなコーヒーも飲んでもらったり、したい。

って、仕事部屋から離れた場所に臨時で作ったテーブルで、ぼんやり考えたりしてる。

引っ越しのjournal

スロウスタートのjournal

もう、あまりにも遅ればせですが。あけましておめでとう。

スタートと言いながら、写真は昨年のエンディング近くのものたちですが。

秋を過ぎた頃に気に入った部屋が見つかっちゃってね。あわてて引っ越して、
落ち着く隙もなく年末進行に雪崩れ込んだ。

瞬く間の毎日の中にも笑顔が止まらない日はいくつもあって
その一瞬ずつをできるだけ丁寧に踏みしめていたつもりだったけど、
記憶の輪郭がノイジーなもんだから、バタバタと踵で蹴り上げた砂のせいって事に。してみる。

年賀状を描きそびれて鐘の音を聴いて、七草粥にレンゲを沈めて、さらにいく数日後。
やっと描けたイラストを寒中お見舞いとして、ポストに投げ込んだのが今年のはじまり。

昨年は転げるようで、あんなガムシャラ続きの1年間は少し久しぶりだったかも。
20代最後の年としては、満足。
ついについに今年、ひとつ境目を超えて歳をとるの。とっちゃうの。
大人になってからの10年弱、この境界線の事ばかり考えていた気がする。

重大に思えた今までの10年間なんてまだまだトンネルの中で、
この先に待つ出口をポンと抜けたら、本当の景色がワッと広がっているんじゃないかなって
少し前までは思いもしなかったけど、
今日はなんだかこの予感がしっかり胸に居座って高鳴ってるの。

BGM:Amiina[The Lighthouse Project – EP]

スロウスタートのjournal

9月の残像のjournal

大好きな金木犀の香り。の、香水。
ちょっとホンモノには負けるかな。
でも、焦がれた香りの一片だけでも触れたいあまり手元に置かずにはいられず。

あの香りを嗅ぐと、あれはもう、秋の空気に漂う優しきゴーストだと思えて。
物語がはじまっちゃう。

いつの間にやら傍にいて、ふわりと抱きしめてくる。
冷めたはずの手に撫でられたうなじは熱を持って、
キスでもしたのか舌は甘みの幻を見るの。
抱きしめ返そうとする頃には、するりと離れて
もうその後ろ髪にも触れさせてくれない。

―焦がれる想いに胸が苦しくなる様まで想像できるの。
幽かな気配を頼りに微睡んだ瞳で見た先には、路地影で橙にウィルオウィスプが燃えるラストがいい。
良く目を凝らせば、たたずむ金木犀の木なのよそれは。

 

穏やかな気持ちになれるから
香りを纏うのはすき。
じぶんの定番があるけど、
季節が変わると自然と香りも着替えたくなるから不思議でしょ。
季節に左右されてる自分を感じる時、「動物なんだな」って実感が湧くから結構好き。

気付けば私を整える材料として香りというものは欠かせなくて、
肌につけるものはもちろんだし、身を置く空間、フード
あらゆるモノの香りが私にとってはお守り。
自分のインナーの爛れやささくれには、いい香りと好きな音楽を沁みこませれば
だいたい大丈夫って信じてる。

 香水、精油、ポプリ、お香、ハーブ、スパイス…色んな香りに出逢えば出逢う程
いっちょまえに好みやこだわりがが出てきて、我ながら手間がかかるけど。
(煙草の香りもたくさんじゃなかったらそんなに嫌いじゃないの。吸えないんだけど。)
そうやって想い強く手元に残った香りは、
するりと傍から抜け漂ってどこかでうなじを撫でてキスをしている。
なんて、また物語がはじまりそう。目を醒まさなきゃ。

金木犀の花言葉 「初恋」「陶酔」

BGM:???[???]

9月の残像のjournal

グループ展のjournal(2)

少し冬の気配を纏った雨粒の隙間を縫って、友人が不意に会いに来てくれた夜。
日記の続きを書くのはこんな日が良いなと帰路で思いつき、
風が冷たくなり始めた浜辺に流れ着いた夏なごりの記憶の貝殻を少し拾います。

「アンアミン展」に続いて
2015.9/1 – 9/13 に参加していた「MARKET COUTURE」。

普段から仲の良い友人達と、企画していた3人展。
私とmeoさん、そしてキュレーションをしてくれたこまやま明さん。

ワタワタと設営を終えた後、丁寧に撮ったつもりの写真はほんのり傾いていて。

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会期中は台風と重なったりして殆どが雨天。
だから手元に残っている写真は全体的に暗めだけど、
足元の悪い中たくさんの方が来て下さって心は日が差してた。

「マーケットという日常」と「非日常な装い」。が今回の展示のテーマ。
私はAWを意識して、シックなムードの作品を揃えました。

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皆の絵をデザインに落としこんだレプリカパッケージも作って会場に展示していて、
私はスパイシーなトマトスープをイメージした「WITCH SOUP」缶、
それと雪山に降り注ぐ流星をイメージしたフレグランス「Edelweiss Etoile」ボトル
を。

会場は重い雲を散らすような楽しげな音楽もかけて。(この日のBGMはEELS)

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お買い物をしてくれた方の為に会場で急遽、不慣れなサイン会も。

視線を浴びながら描くのは本当に緊張して苦手で、たまたま持っていたサインペンでたどたどしく。
サインに少し絵を添えるように描きはじめて、会期が終わる頃にはサインの方が小さくなって似顔絵のように。

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パーティーは、最初しないと決めていたけど、
ギャラリーの方がすすめて下さって、クロージングを開く事に。
(素敵なフードもギャラリーの方が用意をして下さったの!)

奥に写っているオレンジのスープは
私の作品のWITCH SOUPからイマジネーションを広げて実際に作ってくれたもの。

小さなイラストから、こんな風に目の前に形になって現れるなんて嬉しくて、
美味しくて、感謝で、幸せで、丁寧に味わった。
こっそり教えて貰ったレシピは宝物。
魔女のようなおばあちゃんになるまでずっとずっと作っていきたいって思ってる。

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ああ、気づいたら波打ち際がもうあんなに後ろに。

展示をしようよと手を握り合ったテーブル、出逢えた人たちのやわらかな笑顔、
お話はしなかったけど出口でそっと視線をくれて
小さくお辞儀をしていってくれたあの子のふわりと揺れた前髪。

ひとつひとつあの瞬間のありがとうの気持ちが、
貝殻の中に残って私の手元で波の音を鳴らしてる。

BGM:Sufjan Stevens[Seven Swans]

グループ展のjournal(2)

グループ展のjournal(1)

慌ただしい夏の波にザブザブリと流され、なんとかしがみついた海岸は秋。

もう心はふわふわセーターやブランデーを溶かしたホットチョコレートの事でいっぱいだけど
濡れた髪が乾かぬうちに波間の思い出を。

2015.8.14 – 19に参加していた「来来!不夜城アンアミン展」。

アンアミンさんに直接誘って頂いて、参加を決めました。
何年か前にWEBで偶然知り、どうしてもCDが欲しくて
すぐに小さなセレクトショップに駆け込んだあの午後の日差しがフラッシュバック。

今でも忘れない、全てのきっかけはこのマイク。

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展示のテーマはカオスでアジアなお祭り。
お祭りでライブをしている歌謡ポップバンドの女の子達。
センターはヴォーカル、熊猫ビブラート。
ひだりが鍵盤ハーモニカ、狐猫アニマート。
みぎが三味線、狸猫スタッカート。

お面は、狐猫と熊猫のすっぴん。

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会場はキュートでポップなカオス感で溢れていました。
そのまま、打ち上げにまざる事も出来ぬほどの荒波にさらわれて9月。

次回へ

BGM:CUT COPY [ZONOSCOPE]

グループ展のjournal(1)

はじまりのjournal

journal20150723私は中学3年生から自分のWEBサイトを持ち始めた。CGをはじめたのがキッカケ。
今の子にとってはそれはトクベツでもなんでも無いのかもしれないけど、あの頃ホームページを持っているのはもう少しお兄さんやお姉さんが多かった。
幾度か名前を変え、サーバーを引っ越し、絶えることなく15年近く経っちゃった。

今よりもっとシンプルだったHTMLを魔法の呪文のように覚えて、
図面を引く様にコードを打ち込めばWEBの世界に自分のHOMEが出来ていく様が楽しかった。
WEBに繋ぐためには電話回線を使う家庭が多かった頃で、画像の容量は出来るだけ軽くとか。
ホームページのバナーは横200px縦40pxとか。
個人が作ったサイトには、必ずと言っていいほどこのバナーが用意されていて、丹精込めて作ったバナーをさながらWEB上の名刺といった感じでLINKと名前をつけたページにサイトの概要と共に並べたの。
自然と覚えていく暗黙のルールを守る事が、10代の私にとっては非日常的でわくわくした。
(そのすべてが正解であったのかは、わからないけど。)

リアルな世界で一度も続いた事の無い日記帳は、
なぜかWEBの世界でだけはしっかりとページが増えていった。

いつのまにかSNSという言葉が当たり前になって、
自分のホームページよりも少し閉鎖的な領域に日記を書き綴るようになった。
友達とのんびり長話するようで気軽だった。

ある時ふとその全てが面倒になって、流行りはじめのtwitter以外はやめてしまった。
限られた短い言葉を残す事で満足するようになって、近頃はinstagramに写真だけ残せばいいやとすら思っていた。

でも私はまたこんなところに、だららとテキストを打ち込みはじめてる。懲りないなあ、と笑ってしまうけど。
写真は10年近く昔に110フィルムで撮った写真。
こんな日記をはじめる気になったのは、どういう訳かやけにあの頃の事が頭を掠めるせいかもしれない。

はじまりのjournal